この記事ではIPアドレスについてまとめていきたいと思います。
IPアドレスとは
IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、「インターネットで通信するための住所」のようなものです。ネットワークに接続する機器すべてに割り当てられ、通信相手を指定する際に使用されます。IPアドレスが被ると通信先が特定できなくなってしまうので、被らないように設定されています。(のちに例外が出てきます…)
IPアドレスには2種類の形式があります:
- IPv4(例: 192.168.0.1)
- IPv6(例: 2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334)
初めにこれら2つの違いについてまとめます!
IPv4とIPv6の違い
IPv4は「192.168.10.1」のようなもので全部で42億9496万7296通りあります。(正確にはもう少し少ない)
しかし、それではIPアドレスが足りなくなってきました。
地球の人口が約81億人(2025年1月現在)、一人でスマホやPCなど、インターネットにつながる機器を複数台持つ時代となり、また、洗濯機や掃除機などの家電や、自動車などでもインターネットにつながる時代となりました。
そこで新しく生まれたのが「IPv6」です。
IPv6は「2400:2200:4f4:1fb9:e76d:da00:3154:88ce」のようなもので、約340澗(かん)通りあります。
これは、「兆」の6つ上の単位であり実質無限とも言えます。
世界中のすべての機器がIPv6になってしまえばいいのですが、そんなことができるはずもなく、現在はIPv4とIPv6が併存している、まさに移行期とも言えます。しかしIPv4ではIPアドレスはすでに足りなくなっています。さらに前述の通りIPアドレスは重複すると送信先を特定することがでません。そのためIPv4では、IPアドレスが重複しないよう工夫がなされています。これがIPアドレスの理解を難しくしていると思われます。
以下でそれらの工夫について、特に「グローバルIPアドレス」、「ローカルIPアドレス」について解説していこうと思います。
IPv4とIPv6の違いまとめ
項目 | IPv4 | IPv6 |
---|---|---|
アドレス長 | 32ビット | 128ビット |
表記形式 | 10進数で4つの数字をドットで区切る (例: 192.168.1.1) | 16進数で8つのセグメントをコロンで区切る (例:2400:2200:4f4:1fb9:e76d:da00:3154:88c) |
アドレス数 | 約43億(2³²) | 約340澗(2¹²⁸) |
通信速度への影響 | ヘッダーが小さく高速 | ヘッダーが大きく処理負荷が増加する場合も |
対応状況 | 全ネットワークで利用可能 | 対応は進行中(IPv4との併存期) |
グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスの違い
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスは、インターネット上で唯一無二のアドレスであり、世界中で重複しないように割り当てられます。
主な特徴:
- インターネット通信に必要:インターネット上の他のデバイスと通信するために使用されます。
- 外部アクセスが可能:他のネットワークからアクセス可能なため、ウェブサーバーやリモートアクセスに利用されます。
ローカルIPアドレス
ローカルIPアドレスは、LAN内でデバイスを識別するためのアドレスであり、ルーターやスイッチによって管理されます。一般にプライベートIPアドレスとも呼ばれます。
主な特徴:
- LAN内限定の通信:同じネットワーク内のデバイス間で通信するために使用されます。
- NAT(Network Address Translation)で外部通信可能:
ローカルIPアドレスは通常、そのままではインターネットに接続できませんが、ルーターのNAT機能を介してグローバルIPアドレスを共有することで通信が可能です。
ルーター:
ルーターはインターネット上の他のデバイスと通信するためのグローバルIPアドレスと、同じネットワーク内のデバイスと通信するためのローカルIPアドレスの両方を持つ
グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスのイメージ

まとめ
IPアドレスは、インターネットやネットワークで通信するために欠かせない「デバイスの住所」のような役割を果たします。この記事では、IPv4とIPv6、グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスの違いを中心に解説しました。
- IPv4とIPv6の違い:
IPv4はアドレス枯渇の問題を抱えており、これを解決するために桁数を大幅に増やしたIPv6が登場しました。IPv6は理論上、ほぼ無限のアドレスを提供できますが、現在は移行期にあり、両者が併存しています。
- グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスの違い:
グローバルIPアドレスはインターネット上で唯一無二のアドレスであり、外部通信に必要です。一方、ローカルIPアドレスはLAN内の通信に利用され、NAT技術を使ってグローバルIPを共有することで外部通信が可能になります。
- ルーターの役割:
ルーターは、ネットワーク間の橋渡し役として機能し、グローバルIPアドレスとローカルIPアドレスを使い分けて通信を実現しています。
これらの仕組みを理解することで、ネットワークの基本的な動作を把握できるようになります。今後の技術的な進化を見据えて、IPv6の普及やネットワーク管理の効率化にも注目していきましょう。
参照:
IPアドレスとは? 仕組みや確認方法、個人の特定について解説|ICT Digital Column 【公式】NTTPCコミュニケーションズ
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