今回はcdコマンドについてまとめようと思います。かなり頻繁に利用する基本的なコマンドですが、意外と知らない使い方がありましたので今回まとめておきます。
cdコマンドとは
cd（Change Directory）コマンドは、コマンドラインインターフェースで現在の作業ディレクトリを変更するために使用されます。ユーザーが指定したフォルダに移動することで、ファイルの閲覧や操作、プログラムの実行などを効率的に行うことができます。cdコマンドは、絶対パスや相対パスを利用して柔軟にディレクトリ間を移動できるため、システム管理や開発作業で欠かせない基本的なツールです。
よく出てくる用語
- ディレクトリ
ファイルを整理・管理するためのフォルダーのこと。コンピュータ内でファイルや他のディレクトリを階層的に構造化します。
- ルートディレクトリ
ファイルシステムの最上位に位置するディレクトリ。すべての他のディレクトリやファイルはこのルートディレクトリの下に配置されます。Unix系では /、Windowsでは各ドライブの最上位（例: C:\）がルートディレクトリです。
- カレントディレクトリ
現在作業中のディレクトリのこと。コマンドを実行する際の基準となる場所。
- ホームディレクトリ
ユーザーごとに割り当てられた個人の作業領域となるディレクトリ。設定ファイルや個人データが保存され、ユーザーがログインすると自動的にこのディレクトリがカレントディレクトリとして設定されます。Unix系では ~ で表され、Windowsでは通常 C:\Users\ユーザー名 となります。
- 相対パス
現在のディレクトリを基準に指定するパス。例えば、../documents は一つ上のディレクトリにある documents フォルダを指します。
- 絶対パス
ファイルシステムのルートから完全に指定するパス。例えば、/usr/local/bin（Unix系）や C:\Program Files（Windows）など、開始点が固定されています。
cdコマンドの基本的な使い方
cd [移動先のディレクトリ]
[移動先のディレクトリ]には「相対パス」と「絶対パス」の両方を指定できます。
以下、基本的な移動方法です。
| コマンド | 動作 | 画像で言うと？？ |
|---|---|---|
| cd ~ | ホームディレクトリに戻る | ホームディレクトリまで一気に移動 |
| cd – | 直前に作業していたディレクトリに戻る | ディレクトリ３から現在のカレントディレクトリに移動した場合、ディレクトリ３に戻る |
| cd .. | 1つ上のディレクトリに移動する | ディレクトリ６へ移動 |
| cd ../.. | ２つ上のディレクトリに移動する | ディレクトリ２へ移動 |
| cd / | ルートディレクトリに戻る | ルートディレクトリへ移動 |
説明用ディレクトリ
タブ補完を活用する
タブ補完とは
ディレクトリ名の一部を入力し、Tabキーを押すと自動的に補完される機能のことです。
使い方
下記の状態でタブキーを押下すると、自動で「ディレクトリ５」と入力されます。
cd /ルートディレクトリ1/ディレクトリ３/でぃ
環境変数を使用する
環境変数とは？
システムやアプリケーションが動作する際に参照する設定情報を保持する変数。パス情報、ユーザー設定、システム設定などが含まれ、コマンドラインやスクリプトからアクセス・変更することができます。例えば、PATHやHOMEなどが代表的な環境変数です。
cdコマンドではパス情報が格納された環境変数が利用できます。
環境変数の設定方法
一時的な適用
export PATH=$PROJECT_DIR:[追加したいパス]
set PROJECT_DIR=[追加したいパス]
永続的な適用
#このファイルに「export PATH=$PROJECT_DIR:[追加したいパス]」を追記する nano ~/.bashrc
setx PROJECT_DIR "%PATH%;C:\追加したいパス" /M
使い方
cd $PROJECT_DIR
cd %PROJECT_DIR%
まとめ
この記事では、cdコマンドの基本的な使い方や関連する重要な用語について解説しました。また、タブ補完機能を活用する方法や、環境変数を利用して効率的にディレクトリを管理・移動する方法についても紹介しました。これらのテクニックを理解し活用することで、コマンドラインでの作業がよりスムーズかつ効率的になります。cdコマンドの多彩な使い方をマスターして、日常のシステム管理や開発作業を効率化しましょう。
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